鳥になりたいです

感じるまま思索してスラスラ

ここはどこですか?私はだれですか?

 

 [ALEXANDROS]と言うバンド御存じだろうか。今や「音楽?まあすきかなw」みたいに、音楽に対してそんな執着がない人にも、何か名前は知ってると言わせるレベルのバンドにまで成長した。私にはちょっと思い入れのあるバンドで、2006年、まだ[Champagne]名義の記念すべきデビューアルバム「Wheres My Potato?」の頃から好きで応援している。生まれてきてくれてありがとう。

 

 

 当時高校生だった私は、自分の存在意義について悩んでいた。本当に、僕は何を言いたくてこの街に居座ってんだろう?って感じでそればっか頭の中をグルグル回ってて、僕はメリーゴーランド、ただ回るのさって頭おかしくなってた。通っていた高校は進学校だったせいもあるのかどうかわからないが、学年で部活動をやっている人が非常に少なく、普段何やってんのお前って奴ばっかりで、私も部活動をしながら、何か足りないって、その何かを切望する内に部活に行かなくなり退部届けも出さず、居場所を自分で消滅させてしまったのである。

  暇になった私は、地元で色んな年代の人が集まるサッカーサークルを見付けたので、とりあえず何もしないよりはましかって思って入ってみたのだが、足りない足りない足りないっと頭の中のメンヘラ彼女が1秒置きにLINEを送信してくるので、ほぼノイローゼ気味だったかもしれない。勿論、サッカーをしてる間は楽しかったし、悩んでいる素振りを人に見せられず、これでいいじゃないかって納得しようとしていた。

私「今サッカーやってて楽しいよ」

脳内彼女「へえ、でもわたしのほうがだいじよね?」

一向にわかり合える気がしなかった。しにたい。

 俺の人生本当くそなのかもしれない、これがこのままずっと続いて自分に納得出来る日は来ないで終わるんだろうなと夕暮れのバスの車窓を眺めながら自己嫌悪に浸り、学校から帰った日、途中コンビニで買ったケーキの容器を開きながら、ケーキぐらい優雅に食わせてくれと、日課になってるネットでのバンド漁りを始めた。注目バンドと挙げられていた[Champagne]が初シングルを出すということで、cityのMVを見たのだが、胸が痛くなったのを鮮明に思い出せる。

 追い求めていた物、私のアイデンティティ。それを失いながらも、滅茶苦茶格好いい姿、音、熱に昇華してしまっている彼等を見て、モンブランの栗後で食べよ、と隅に寄せている自分が恥ずかしくなった。

 鬼気迫るオーラで演奏する川上洋平。親に成績のことを言われ鬼気迫る表情で回避する私。その圧倒的に絶望なまでの違いを見せ付けられると、逆にあー俺はこのままじゃ駄目だ。何とかして私は私の輝きを見付けなければならないなと思ったのである。何か我を忘れるぐらい没頭したい。夢中になりたかったのだ。

私は我を忘れながら栗を口に含んだのである。